2020-10-29
信託協会が、教育資金贈与信託の受益者の親権者等を対象に実施した「教育資金贈与信託に関する受益者向けアンケート調査」結果(有効回答数1万9549人)によると、本制度の教育の寄与について、89.3%が「大いに寄与している(する)と思う」、9.3%が「多少寄与している(する)と思う」と回答した。ほぼ全ての利用者が、本制度が教育に寄与していると回答し、教育機会の充実や人材育成等への貢献度が高いことがうかがわれた。
教育への寄与の具体的内容(複数回答)は、78.2%と約8割が「教育資金に係る生計の負担が軽くなった(なる)」、次いで、教育について「将来の選択肢を広げることを期待」(51.9%)、「コロナの影響による経済状況の不安定な中でも子どもの教育費を安心して支出できると感じる」(23.8%)と続く。申込み理由(同)では、69.5%が「教育に寄与するから」、19.9%が「適用期限が間近になり、廃止の可能性があると思ったから」と回答した。
教育資金の利用方法(複数回答)は、「大学・短期大学の学費」(57.6%)、「塾・予備校の費用」(56.9%)、「高等学校の学費」(50.6%)、「習い事の費用」(50.1%)が5割台。義務教育を含む「中学校の学費」(40.8%)が約4割、「小学校の学費」(29.7%)が約3割だった。高等教育を中心に、小学校から大学まで幅広く利用されており、さらには学校外の費用にも多く利用されるなど、教育機会の充実や人材育成等に寄与している。
負担軽減に伴う資金の利用方法(複数回答)は、教育費の負担軽減により、利用者の62.5%と6割以上は「さらに充実した教育を受けさせたい」と回答。「将来に備えて資産形成を行いたい」(45.0%)も4割以上、「他の支出に充てたい」(36.0%)は3割以上。また、「さらに充実した教育を受けさせたい」利用者のうち、約5割が「大学・短期大学の学費」(51.6%)、「塾・予備校の費用」(49.6%)、「習い事の費用」(45.4%)も4割以上あった。
2019年度の制度改正で、本商品の資金使途について、贈与を受ける子どもが23歳以上の場合、(1)学校等に関連する費用(授業料、留学渡航費等)に係る支払い、(2)教育訓練の受講に係る支払いに限定されたが、これについて、利用者の54.2%と5割以上が「使いにくくなった」と回答。ただし、このような資金使途の限定を23歳未満へ拡大すること等、更に厳しくすることについて、利用者の65.7%と6割以上が「問題ない」としている。
同調査結果は↓
https://www.shintaku-kyokai.or.jp/archives/042/202010/report202010-1.pdf