2017-01-06
先日発表された東京税理士会の2016年度「税務調査アンケート」結果(有効回答数1676会員)では、税務調査日数は1日〜2日で終了との回答割合が、約7割だったことなどが明らかになったが、同調査では書面添付制度についてもアンケートを行っている。それによると、回答のあった1514件のうち、「書面添付をしている」ものは335件で、添付割合は前回(20.2%)に比べ1.9ポイント増と微増の22.1%となった。 「添付している」と回答した335件(22.1%)の内訳は、「全て添付している」が52件(3.4%)、「一部添付している」が283件(18.7%)だった。また、「添付していない」と回答した1179件(77.9%)のうち、「過去に添付していたが、今は添付していない」との回答が39件(2.6%)あった一方で、「今は添付していないが、今後添付する予定」との回答が78件(5.2%)あり、今後の添付割合の上昇が期待できそうな結果となった。 書面添付件数をみると、「法人税(消費税含む)」は、総申告件数6718件のうち書面添付した件数が4737件で70.5%(前回58.8%)、「所得税(消費税含む)」は、同5352件のうち2486件で46.4%(同21.7%)、「相続・贈与税」は、同1372件のうち751件で54.7%(同43.1%)となっている。全体的に添付比率が上昇しており、「所得税(消費税含む)」については、添付率が2倍以上となる結果となった。 書面を添付している理由(複数回答可)は、「税務調査の省略化」が61.5%で最も多く、次いで「業務品質の向上」(50.4%)、「業務上の責任範囲を明確化」(35.2%)、「税理士の権利」(31.0%)、「顧問先に対するアピール」(30.1%)、「金融機関に対するアピール」(8.4%)などが挙げられた。その他の理由としては、(1)顧問先からの依頼、(2)申告書で表現しきれなかった事案の捕捉、などの回答があった。 一方、書面を添付していない理由(複数回答可)については、「時間や労力がかかり煩雑」が51.6%で最も多く、次いで「添付する効果が不明」(49.2%)、「科目内訳及び概況書で十分」(33.8%)などだった。書面添付制度に対する意見では、「書面添付制度は重要な制度」といった肯定的な意見もある一方で、昨年度に引き続き「書面添付制度を利用するに当たってその効果が不明確」という意見や様式の簡素化を望む意見も多数みられたという。