セルメディ税制対象医薬品の適用範囲で具体案を検討

セルフメディケーション税制は、2021年度税制改正にて、対象をより効果的なものに重点化した上で5年の延長を行うが、同税制対象医薬品の適用範囲見直しを検討する厚生労働省の「セルフメディケーション推進に関する有識者検討会」は3月10日に第2回会議を開き、(1)対象から除外するもの、(2)対象から除外するものの経過措置期間、(3)対象に追加するもの、について第1回会議を踏まえて事務局が作成した具体案をもとに検討した。

対象から除外するものとして事務局が提示したのは、強心薬のユビデカレノン、ビタミン主薬製剤のメコバラミン、カルシウム主薬製剤のL-アスパラギン酸カルシウム、歯科用材(う蝕予防)のフッ化ナトリウムの4成分。検討会委員からはメコバラミン除外に反対する意見も出たが、税制が適用されない他のビタミン剤との違いがわかりづらいことから今回は除外される方向のようだ。

これらの成分による医薬品を税制の対象から除外するまでの経過措置期間については、これまで対象商品として認知されてきているほか、マーク入りの商品が売り切れるまでは、対象商品として申告される可能性があるため、消費者への認知、商品入替えに要する期間、卸の流通在庫期間を始め、OTC医薬品の品質保証期間が3年程度であることなどを踏まえ、4年間が妥当とした。

一方、対象に追加するものについては、国民生活基礎調査で訴える者が特に多かった症状や、医療費削減額の大きさなどを考慮して、(1)腰痛・関節痛・肩こり、(2)風邪の諸症状(熱・頭痛、咳や痰が出る、喉の痛み等)、(3)アレルギーの諸症状(鼻づまり・鼻汁等)の3つの症状に対応する有効成分とする模様だが、委員からは胃腸の諸症状(胸やけ、胃痛、もたれむかつき、便秘等)に対応する有効成分も加えて欲しいとの意見も出た。

検討会は、3月末までに対象範囲を決定する。厚労省は、税制改正法案成立後、決定した対象医薬品の成分を告示する。