総務省が熱海市と太宰府市の法定外税の更新に同意

総務省はこのほど、3月16日付けで、静岡県熱海市及び福岡県太宰府市から協議のあった法定外普通税の「別荘等所有税」(熱海市)と「歴史と文化の環境税」(太宰府市)について、それぞれ更新に同意したことを明らかにした。熱海市の別荘等所有税は、主として保養の用に供する家屋又はその部分等(「別荘等」)の所有者に対し、家屋の床の延べ面積1平方メートルにつき650円の割合で課税するもの。

熱海市は、1960年台半ば以降、自然環境や立地条件の良さからリゾート開発が進み一戸建別荘やリゾートマンションの建設が相次ぎ、現在までに1万戸余りが建設された。しかし、これに伴い生活関連施設(ごみ処理、し尿処理、上下水道の整備)や安心、安全のための消防はしご車、救急車の整備など行政需要が増大したことから、別荘等所有税は、これらの経費の一部を応分の負担を求めるため、1976年に創設された。

課税対象は、毎年1月1日現在、(1)熱海市に家屋を所有しており、かつ、住民登録・市県民税の申告のない所有者、(2)他人に家屋を貸し付けている所有者(1月1日現在、賃借人が熱海市に住民登録・市県民税の申告のない場合)、(3)旅館業法の許可のない寮、保養所など。また、マンションが別荘として利用されている場合も建物の共有部分(ロビー、廊下等)の床面積を按分して課税対象とされる。税収見込額(平年度ベース)は5億2818万円。

太宰府市の「歴史と文化の環境税」は、固有の文化遺産及び観光資源等の保全と整備を図り、環境にやさしい“歴史とみどり豊かな文化のまち”を創造するため、市内にある一時有料駐車場の利用者に一定の負担を求めるもので、2003年から導入されている。税率は、原付を含む二輪車50円~大型バス500円まで車種別に4車種に分類されており、直近(2019年度)の税収は7938万2800円。

地方税に規定する障害者と介護者及び障碍者に準ずる者は非課税となる。税収の使途は、歴史的文化遺産の保存活用事業、来訪者への「おもてなし」事業、環境負荷削減事業等まちづくりの財源に充てられる。税収見込額(平年度ベース)は4409万円。なお、両税の更新期間は、別荘等所有税が2026年3月31日までの5年間、歴史と文化の環境税が2024年5月22日までの3年間とされている。

福岡県太宰府市「歴史と文化の環境税」の更新は↓
https://www.soumu.go.jp/main_content/000738429.pdf

静岡県熱海市の「別荘等所有税」の更新は↓
https://www.soumu.go.jp/main_content/000738417.pdf