2020年分路線価について大阪市内13地点を減額補正

国税庁は23日、2020年分の路線価等に係る地価変動補正率表を公表し、大阪市内の13地点を減額補正することを明らかにした。同地価変動補正率は、路線価等が時価を上回る状況が確認された地域について、路線価等を補正するために用いる。2020年中に相続、遺贈又は贈与により、上記の地域に所在する土地又は土地の上に存する権利を取得した場合には、路線価に地価変動補正率を乗じた価額に基づき土地等の評価額を算出する。

2020年1月から6月までの間は路線価等が時価を上回る状況は確認されなかったので、路線価等の補正は行わなかったが、同年7月から9月までの間は、大阪市中央区の心斎橋筋2丁目、宗右衛門町、道頓堀1丁目の3地域の土地等が、新型コロナウイルスの影響で地価が路線価を下回り、修正が必要と判断したことから、これらの土地等の相続等による取得者は、路線価に地価変動補正率を乗じて土地等の評価額を算出するよう要請していた。

さらに今回、10月から12月までの間に相続等により取得した土地等に係る路線価等の補正について、大阪市中央区の心斎橋筋1・2丁目、千日前1・2丁目、宗右衛門町、道頓堀1・2丁目、難波1・3丁目など13地域において、土地又は土地の上に存する権利の時価が路線価を下回る(大幅な地価下落)状況が確認されたため、これらの地域については、路線価の補正を行うことを公表したわけだ。

これら大阪市中央区の13地域において土地等を取得した場合には、路線価に「地価変動補正率」を乗じた価額に基づき評価額を算出するよう要請している。算式は、「2020年10~12月分の路線価 = 路線価(2020年1月1日時点の価額)×地価変動補正率」となる。2020年10~12月分の地価変動補正率は、大阪市中央区の13地域ごとに0.90~0.98の範囲で定めている。

また、これらの地域において、2020年10月から12月に贈与により土地等を取得した場合には、「個別の期限延長」により、2020年10月から12月までの路線価の補正に係る公表の日(2021年4月23日)から2ヵ月間、贈与税の申告・納付期限を延長できる。なお、愛知県名古屋市中区錦3丁目についても、「地価変動補正率」の対象地域ではないが、同様に「個別の期限延長」により、贈与税の申告・納付期限を延長できることとしている。

この件については↓
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0021004-035.pdf