2021-04-27
国税庁は、社会経済の実態等を踏まえ、電話加入権と都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価を見直すため、財産評価基本通達を改正する。4月20日に、「『財産評価基本通達』の一部改正(案)に対する意見公募手続きの実施について」と題したパブリックコメントの募集を開始しており、5月19日まで意見公募する。改正通達は、本年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用する。
改正案によると、電話加入権は、現行では、(1)取引相場のある電話加入権については、課税時期における通常の取引価額に相当する金額、(2)それ以外は、売買実例価額等を基として電話取扱局ごとに国税局長の定める標準価額で評価している。国税局長の定める標準価額は、国税庁がホームページで公開している財産評価基準書に路線価図等とともに掲載されているが、現在、47都道府県全て1500円となっている。
また、特殊な番号(1番から10番まで若しくは100番のような呼称しやすい番号又は42番、4989番のような誰もが嫌がる番号)等の加入権は、上記の(1)及び(2)により評価した価額を基とし、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して、適宜増減した価額によって評価している。改正後は、(1)及び(2)による評価を廃止し、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する。また、特殊番号の評価については削除する。
一方、都市計画道路予定地の区域内にある宅地については、評価に用いる補正率表を見直し、地区区分ごとの容積率の区分を、(1)ビル街地区、高度商業地区は現行の3区分を2区分に、(2)繁華街地区、普通商業・併用住宅地区は現行の3区分を4区分に、(3)普通住宅地区、中小工場地区、大工場地区は現行の2区分を3区分に、それぞれ整理して、これらに伴う補正率を見直す。
「財産評価基本通達」の一部改正(案)に対する意見公募は↓
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=410030002&Mode=0