2020年分確定申告、申告納税額は2年連続の減少

国税庁が6月25日に公表した2020年分所得税等の確定申告状況によると、所得税の確定申告書を提出した人は、前年を2.1%(45万2千人)上回る2249万3千人となり、2011年以降ほぼ横ばいで推移している。申告納税額がある人(納税人員)は同4.3%増の657万2千人となり、3年ぶりの増加となった。納税人員の増加に伴い、その所得金額も同2.2%上回る42兆5497億円となり、2年ぶりに増加した。

しかし、申告納税額は、前年を▲1.6%(9457億円)下回る3兆1653億円と、2年連続の減少。2019年分と比較すると、人員及び所得金額は増加したものの、申告納税額は減少した。申告納税額は、ピークの1990年分(6兆6023億円)の約5割程度(48%)に落ち込んでいる。なお、還付申告者数は、前年分から▲0.1%減の1301万4千人と、2019年分からほぼ横ばいで推移しているが、申告者全体の約58%を占める。

所得税申告者のうち、株式等の譲渡所得の申告者は前年分に比べ13.0%増の112万5千人と3年ぶりに増加し、うち所得金額がある人は同25.4%増の47万8千人、所得金額は同7.2%増の3兆5053億円と、いずれも増加。これら株式等譲渡所得の申告者を除く土地等の譲渡申告者は同▲3.9%減の50万4千人、うち所得金額がある人は同▲4.6%減の33万4千人、所得金額は同▲13.6%減の4兆2160億円で、2019年分からいずれも減少した。

一方、贈与税の申告状況をみると、贈与税の申告書を提出した人員は48万5千人で前年分比▲0.5%減少、うち納税人員は35万4千人で同▲0.2%減少したが、その申告納税額は2772億円で同10.9%増加した。贈与税の申告書提出人員のうち、暦年課税を適用した申告者は同▲0.1%減の44万6千人、うち納税額がある人は同▲0.2%減の35万1千人、その納税額は同0.2%増の2177億円。1人当たりの納税額は同0.4%増の62万円となる。

また、相続時精算課税制度に係る申告者は前年分に比べ▲5.7%減の3万9千人、うち納税額があった人は同3.2%増の4千人、申告納税額は同82.1%増の595億円。1人当たりの納税額は同76.5%増の1701万円だった。なお、個人事業者の消費税の申告件数は同0.9%増の112万4千件、納税申告額は同2.8%増の6235億円と過去最高。消費税の還付申告は、同62.0%増の112万4千件、還付税額は同35.1%増の498億円だった。

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