2021-07-09
財務省は、政府全体の方針である「デジタル化の推進」を踏まえ、オンラインによる税務手続きの推進と、デジタルの活用による業務の効率化・高度化を両輪とする「税務行政のデジタル・ トランスフォーメーション(DX)」を、国税庁が達成すべき新たな目標として設定した。これは、同省が6月30日に公表した2021事務年度国税庁実績評価実施計画と実績評価の事前分析表で明らかになったもの。
オンラインによる税務手続きの推進では、ホームページで利用者目線に立った分かりやすい情報提供を行うとともに、申請・届出、納付等の税務手続きがオンラインで簡便にできる環境を整備することにより、「あらゆる税務手続きが税務署に行かずにできる社会」の実現を目指す。デジタルの活用による業務の効率化・高度化では、内部事務のセンター化の推進や、照会等のオンライン化の推進、課税・徴収事務等税務執行へのデータ活用等を行う。
内部事務のセンター化は、各税務署で行っている申告書の入力、申告内容等についての照会文書の発送などの内部事務を業務処理センターで集約して行うことにより事務の効率化を図るもの。2019年7月から複数の税務署の内部事務を専担部署(センター)で集約処理する試行に取り組んできたが、この7月からは体制を変更し国税局の組織として「業務センター室」を設置し、一部の税務署を対象に内部事務のセンター化を実施する。
内部事務のセンター化は、2026事務年度までに全ての税務署を対象とするよう順次拡大していく。照会等のオンライン化は、申告書の審査や税務調査の際に金融機関に対して行っている預貯金情報の照会をオンライン化する。データ活用等による税務執行の効率化・高度化は、申告漏れリスクの高い納税者の判定や、滞納者の状況に応じた対応の判別等に、AIの活用も含めたデータ分析を活用するほか、課税・徴収業務のペーパーレス化を図る。
この件については↓
https://www.mof.go.jp/about_mof/policy_evaluation/nta/fy2021/plan/2021ntakeikakuhoudou.html