2021年度の国税専門官合格者は過去最高の4193人

2021年度の国家公務員の7種類(皇宮護衛官・法務省専門職員・財務専門官・国税専門官・食品衛生監視員・労働基準監督官・海上保安官)の専門職試験の合格者数は合計6029人で、昨年度に比べ、326人増加したことが、人事院が発表した2021年度国家公務員採用専門職試験(大卒程度)等の合格者発表で分かった。女性の合格者数は2536人(昨年度2216人)で、女性の割合は42.1%となり、昨年度(38.9%)より3.2ポイント上昇した。

専門職試験合格者6029人のうち、国税専門官は4193人で全体の約70%を占める。昨年度に比べ、298人(7.4%)増加し、5年連続で過去最高を更新した。そのうち、女性の合格者数は1837人で、昨年度に比べ298人(7.4%)増加し、こちらも過去最高を更新。合格者に占める割合は43.8%で、2019年度の42.4%を上回り過去最高となった。国家公務員全体の女性割合42.1%を上回り、国税専門官はやや女性の比率が高くなっている。

国税専門官試験の申込者数は1万3163人(昨年度1万4131人)だったため、申込者数を最終合格者数で除した合格率は3.1倍となり、昨年度の3.6倍から下落。近年は2015年度4.0倍→16年度5.4倍→17年度4.8倍→18年度4.6倍→19年度4.1倍→20年度3.6倍と推移しており、以前に比べれば広き門となっている。2021年度の合格率3.1倍は、2000年代に入ってからは最低だった2020年度の3.6倍を更新している。

合格者数は、辞退者数を考慮して決められる。採用予定数は1470人(昨年度1350人)。試験年度の翌年度が採用年度となるため、2021年度試験合格者の採用年度は2022年度となる。来年4月の採用後は、埼玉県和光市にある税務大学校において約3ヵ月間、税法・簿記などの税務職員として必要な知識、技能等の基礎的な事項を習得する専門官基礎研修を受け、終了後、国専52期として、各国税局(沖縄事務所)管内の税務署に配属される。

初任給は、例えば東京23区内勤務の場合、25万560円(2020年度実績)で国家公務員一般職(21万8640円)に比べて約3万2千円多くなっている。なお、大学卒業程度を対象に1970年(昭和45年)に始まった国税専門官採用試験による採用者数は、1994年度以降、高校卒業程度を対象とした税務職員採用試験の採用者数を上回り、現在、国税新規採用職員の中心になっている。

2021年度国家公務員採用専門職試験の合格者発表は↓
https://www.jinji.go.jp/kisya/2108/senmondaisotu2021_saigou.pdf