金融庁、金融所得課税一体化など税制改正要望を公表

金融庁は8月31日、投資しやすい環境の整備と更なるデジタル化の推進の観点から、金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)や上場株式等の相続税に係る見直しなどを柱とした2022年度税制改正要望を公表した。また、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた対応として、印紙税非課税措置の延長等や、保険について、生命保険料控除制度の拡充などを盛り込んでいる。

金融所得課税の一体化では、金融商品間の損益通算の範囲については、デリバティブ取引・預貯金等について、未だ損益通算が認められておらず、投資家が多様な金融商品に投資しやすい環境の整備は、道半ばだ。特に、デリバティブ取引については、ヘッジや分散投資として活用されることで、家計による成長資金の供給の拡大と家計の資産形成に資することが期待されるが、現状、個人投資家による活用が限定的だと指摘。

そこで、証券・金融、商品を一括して取り扱う総合取引所が2020年7月に実現したことを踏まえ、投資家が多様な金融商品に投資しやすい環境の整備を図り、家計による成長資金の供給拡大等を促進するため、金融商品に係る損益通算範囲をデリバティブ取引・預貯金等にまで拡大する。時価評価課税の有効性や課題を始めとして多様なスキームによる意図的な租税回避行為を防止するための実効性ある具体的方策を含め、早期の検討を要望した。

上場株式等の相続税に係る見直しでは、相続財産となった上場株式等は、原則として相続時点の時価で評価される。他方、上場株式等は、相続後納付期限までの間における価格変動リスクが大きいことから、相続後の株価の下落に備えて売却されるといったケースがみられる。このため、上場株式等に係る相続税の評価方法については、国民の資産選択に歪みを与えているといった指摘がある。

また、上場株式等による物納については、「延納によっても金銭で納付することが困難な金額の範囲内であること」等の要件があるため、一部の利用に限られている。そこで、高齢者が老後資金のために蓄えた資産を安心して保有し続けることのできる環境を整備する観点から、上場株式等については、相続税評価方法等の見直しを行うこと、また、物納の場合の手続きについても、要件の見直しを行うことを求めている。

金融庁の税制改正要望項目は↓
https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20210831/01.pdf