2021-09-06
国税庁が8月31日に公表した2022年度機構・定員要求によると、同年度の定員要求については、軽減税率制度実施、消費税不正還付や租税回避、新型コロナ感染症などへの各対応の観点から、1209人の増員要求を行った。一方で、2022年度の国税庁の定員合理化目標数が1141人とされており、差し引き68人の純増要求数となった。定員が純増となるのは6年連続。この結果、要求が通れば2022年度の定員は5万6022人となる。
主な機構要求をみると、税務行政のDXへの対応のため、国税庁にデジタル化・業務改革企画官(仮称)、データ活用企画官(仮称)を新設。消費税不正還付への対応のため、国税局に消費税専門官(仮称)を新設。国際化やICT化などの調査・徴収事務の複雑化等への対応として、国税庁・国税局に課長補佐、大阪局に課税第一部次長などを増設。そのほか、業務センター室拡充への対応のため、東京など4局に統括国税管理官を置く。
また、定年後、年金を受給するまでの間の経済的穴埋めとして、国家公務員の再任用が行われているが、一般職員はもとより、いわゆる「あっせん」がなくなったことから、指定官職も再任用となるケースが珍しくなくなった。そこで、これらの職員に対して、再任用短時間勤務職員用ポストとして、国税局に納付指導専門官(仮称)を新設するほか、派遣監督評価官補、人事専門官、審理専門官、税務署に特別国税調査官を増設する。
なお、国税庁が同日に公表した2022年度予算概算要求額によると、緊縮財政の中で税務行政といえども必要経費を十分に確保することは難しいなか、2022年度は、2021年度当初予算額に比べ0.1%と微増の約6368億円を求めた。国全体の歳出削減が厳しく求められるなかで、税務行政の一層の適正な執行を確保し、適正・公平な課税の実現や歳入確保の要請に応えるためのギリギリの要求ということになる。
機構・定員要求は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0021008-046.pdf
国税庁関係予算概算要求額は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2021/yosan_gaisan/index.htm