2017-02-10
贈与税の確定申告はすでに2月1日から始まっている。贈与税額は、基礎控除額の110万円を差し引いた後に、速算表の課税価格の金額区分に応じた税率を掛けて控除額を差し引いて算出するが、暦年課税の場合は、2015年1月1日以降に、父母や祖父母などの直系尊属から財産の贈与を受けた人(贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の人に限る)の贈与税額は、一般税率ではなく、「特例税率」を適用して計算するので注意したい。
2015年以降の贈与税の税率は、「一般贈与財産」と「特例贈与財産」に区分されている。「一般贈与財産」は、直系尊属以外の親族(夫、夫の父や兄弟など)や他人から贈与を受けた場合、直系尊属から贈与を受けたが、受贈者の年齢が財産の贈与を受けた年の1月1日現在において20歳未満の人の場合(20歳未満の子や孫の場合)となり、この場合は一般税率で贈与税額を計算する。
対して、財産の贈与を受けた年の1月1日現在において20歳以上の子や孫(直系卑属)が父母又は祖父母から贈与を受けた「特例贈与財産」は、「特例税率」を適用する。この場合で、下記の(1)又は(2)のいずれかに該当するときは、贈与税の申告書又は更正の請求書とともに、財産の贈与を受けた人の戸籍の謄本又は抄本その他の書類でその人の氏名、生年月日及びその人が贈与者の直系卑属に該当することを証する書類を提出する必要がある。
それは、(1)「特例税率の適用を受ける財産」のみの贈与を受けた場合で、その財産の価額から基礎控除額(110万円)を差し引いた後の金額(課税価格)が300万円を超えるとき、(2)「特例税率の適用を受ける財産」と「一般税率の適用を受ける財産」の両方の贈与を受けた場合で、その両方の財産の価額の合計額から基礎控除額(110万円)を差し引いた後の金額(課税価格)が300万円を超えるとき、である。
ただし、過去の年分において同じ贈与者からの贈与について「特例税率」の適用を受けるためにその書類を提出している場合は、贈与税の申告書第一表の「過去の贈与税の申告状況」欄に、その提出した年分及び税務署名を記入し、その書類を重ねて提出する必要はない。なお、「相続時精算課税」を選択した場合は、その選択に係る贈与者からの贈与で取得する財産は、その選択をした年分以降、全て相続時精算課税が適用されるので、注意が必要だ。