住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の見直し

2022年度税制改正における資産課税では、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置の見直しがある。この非課税措置は、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭(「住宅取得等資金」)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、一定の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となる特例だ。

今回の同贈与の非課税特例の見直しでは、まず適用期限が2023年12月31日(現行2021年12月31日)まで2年延長される。次に、非課税限度額について、住宅用家屋の取得等に係る契約の締結時期にかかわらず、住宅取得等資金の贈与を受けて新築等をした住宅用家屋の区分に応じ、(1)耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋は1000万円、(2)それ以外の住宅用家屋は500万円、とする。

さらに、適用対象となる既存住宅用家屋の要件について、築年数要件(現行:その取得の日以前20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)に建築されたもの)を廃止するとともに、新耐震基準に適合している住宅用家屋(登記簿上の建築日付が1982年(昭和57年)1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなす)であることを加える。そのほか、受贈者の年齢要件を18歳以上(現行:20歳以上)に引き下げる。

これら(非課税限度額を除く)の改正は、住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例措置及び震災特例法の贈与税の非課税措置についても同様とする。また、住宅取得等資金の贈与に係る震災特例法の贈与税の非課税措置に係る非課税限度額は、現行制度と同額とする。なお、これらの改正は、2022年4月1日(受贈者の年齢要件は同年4月1日)以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用する。