昨年12月末の「国の借金」、過去最高の1066兆円

財務省が公表した2016年12月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は、前年度末(2016年3月末)からは17兆573億円増え1066兆4234億円と過去最高に膨らんだ。これは、全体の9割近くを占める国債の残高が928兆9145億円となり、前年度末から約18兆円も増加したことが要因とみられる。なかでも、普通国債のうちの長期国債(10年以上)は約28兆円増加して602兆7888億円と過去最高となった。

2016年3月末に比べ、国債は約18.1兆円増の約928.9兆円で全体の約87%を占め、うち普通国債(建設国債+赤字国債)は、約21.0兆円増の約826.4兆円(うち復興債が約6.7兆円)と過去最高を更新した。他方で、一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は約0.5兆円減の約83.2兆円、財政投融資特別会計国債は約2.0兆円減の約94.1兆円、借入金は約0.5兆円減の約54.3兆円といずれも減少している。

この「国の借金」1066兆4234億円は、2016年度一般会計提出予算の歳出総額96兆7218億円の約11倍、同年度税収見込み額57兆6040億円の約18.5倍である。年収500万円のサラリーマンが9250万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年1月1日時点での推計人口1億2686万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人当たりの借金は、2016年3月末時点の約826万円から約841万円に増加している。

わが国の公債残高(普通国債残高)は年々増加の一途を辿っているが、2016年度末(三次補正予算ベース)の公債残高は、2016年12月末実績での約826.4兆円から約845兆円程度に膨らむと見込まれる。これは、2016年度一般会計税収予算額約58兆円の約14.6年分に相当し、将来世代に大きな負担を残すことになる。また、この12月末実績での公債残高の約826.4兆円は、国民1人当たり約651万円、4人家族で約2604万円となる。

なお、2016年度末の国の借金は、12月末実績の約1066.4兆円からさらに約50.0兆円増えて1116.4兆円になる見込み。安倍政権はこれまで、当初予算ベースの新規国債の発行額を減らしてきたが、2016年度は補正予算の編成で国債を増発する。普通国債は12月末実績値に比べ約18.9兆円増の845.3兆円、国庫の資金繰りや円売り介入などに備えて発行する政府短期証券が同約29兆円増の約112.2兆円となる見込みだ。

2016年12月末現在の国債及び借入金等の現在高は↓
http://www.mof.go.jp/jgbs/reference/gbb/2812.html