2022-02-18
会社員の副業については、政府としては副業を容認する方針となっており、副業を認める企業が増加傾向にある。そこで問題となってくるのは、会社員が副業としてアルバイトをした場合の税金だ。大多数の会社員は年末調整で1年間の納税の過不足を精算してもらえるので、通常確定申告は必要がないと思われる。しかし、副業の収入が年間20万円を超える場合は確定申告をしなければならないとされている。
会社員は勤めている会社で年末調整が行われるが、年末調整が行われるのは1社だけで、アルバイトの給与については、年末調整は行われない。したがって、アルバイトの給与が20万円を超える場合には確定申告する必要があるわけだ。これは、アルバイトの収入だけでなく、事業収入や不動産収入、株式投資による収益など、副業をしている場合にも、年間で20万円を超える「所得」があれば、確定申告が必要になる。
ここでいう「所得」金額とは、収入から必要経費を差し引いた金額となる。商品を販売した際に、その商品の仕入れにかかった費用や商品を梱包して郵送する費用などが必要経費に該当する。例えば、副業で、ある商品を総額100万円で仕入れ、梱包代や郵送費が総額5万円かかり、売上が総額155万円だった場合には、105万円を差し引いた50万円が所得金額となる。この所得金額が20万円以下であれば確定申告は不要となる。
ただし、副業の所得が20万円以下でも確定申告が必要なケースがある。それは、(1)給与収入が年間2000万円を超える会社員は、会社で年末調整は行われず、確定申告する必要がある、また、(2)医療費控除や住宅ローン控除を受ける場合には、確定申告することで、控除分の税金を還付してもらえることなどだ。例えば、医療費控除では、年間に支払った医療費のうち10万円を超える部分の金額は所得から控除されるのでその分税金が安くなる。
注意が必要なのは住民税だ。所得税の確定申告は副業の所得が20万円以下であれば不要だが、市区町村に収める住民税については、20万円以下は申告不要といった特例措置はなく、20万円以下の金額についても納税が必要になる。所得税の確定申告をしないのであれば、別途、居住する市区町村に住民税の申告が必要なのだ。住民税の申告は各自治体で申告方法が異なるので、自治体に問い合わせるか、自治体のウェブサイトで確認したい。