2017-02-22
１月末、法定資料である「給与所得の源泉徴収票」、「退職所得の源泉徴収票」、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」、「不動産の使用料等の支払調書」、「不動産の譲受けの対価の支払調書」、「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」の合計６種類の提出期限を迎え、これから国税当局では、提出された法定調書のチェック（監査）と共に提出漏れや記載の誤りがないかなどの確認作業（法定監査）を始める。
法定資料は、所得税法、相続税法、租税特別措置法及び内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律の規定により、税務署に提出が義務づけられている書類。その数は2016年６月末現在で、所得税法43種類、相続税法５種類、租税特別措置法８種類、内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等調書提出法４種類、合計60種類あり、これらの書類について提出が義務づけられている。
一方、国税庁の法定資料の監査事績によると、主な法定監査結果は、法定調書としてポピュラーな外交員やプロボクサー等の報酬・料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬・料金、広告宣伝のための賞金、作家等に対する原稿料の支払に伴い提出する「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の監査では、監査した5524件のうち27.1％に当たる1497件から非違が把握されている。
また、例年非意割合が高い不動産の対価を支払った法人及び不動産業者である個人（賃貸借代理、仲介を主な事業目的とする者は除かれる）が提出する「不動産の譲受けの対価の支払調書」については、4502件の監査を実施したところ、今年も78.6％と約８割に当たる3538件から記載ミス等の非違が把握されている。そのほか、「給与所得の源泉徴収票」では、監査5687件のうち18.0％に当たる1022件から非違が見つかっている。
なお、昨年６月末までの１年間（2015事務年度）の法定調書の提出枚数は、所得税法によるもの２億4192万枚、相続税法によるもの133万枚、租税特別措置法によるもの8556万枚、国外送金等調書提出法によるもの652万枚であり、その合計は３億3533万枚に達する。また、法定外資料は、国税局・税務署の実情に即した調査・指導等に有効なものを中心に、前事務年度（9715万枚）に比べ33.9％増の１億3010万枚を収集している。
