調査課所管法人に「申告書確認表」の活用を呼びかけ

国税庁は、原則資本金1億円以上の国税局調査部等が管轄する調査課所管法人に対して、「申告書の自主点検と税務上の自主監査」に関する確認表の活用を呼びかけている。同庁では、実地調査以外の多様な手法を用いて、納税者に自発的な適正申告を促す取組みを充実させていくこととしており、調査課所管法人が申告書を提出する前に、申告書の自主点検や税務上の観点からの自主監査を行う際に活用するための確認表を作成している。

調査課所管法人には、一般に会社法等に基づく内部統制の整備や企業の社会的責任への要請等からコンプライアンスに対する意識が非常に高い法人も多く、既に、適正申告に向け自主的に対応している法人も少なくない。そうした法人の自主性を後押しし、効率的に税務コンプライアンスの維持・向上を図ることが、納税者の税務上のリスク軽減に、国税当局も事務の効率化につながると期待して、確認表を作成し、その活用を促している。

確認表は、国税当局における申告書のチェックや税務調査の結果から、誤りが生じやすいと認められる事項を取りまとめたもの。その活用により、継続して申告書の自主点検や税務上の自主監査を実施することで、申告誤りや税務処理誤りが予防されていけば、結果として、税務上のリスクの軽減につながるとのメリットがある。また、活用した確認表は、適正申告の一助となればとの趣旨で提供するものなので、申告書に添付・提出する必要はない。

なお、「申告書の自主点検と税務上の自主監査の促進」は、申告誤りや税務処理誤りにポイントを置き、広く一般に活用してもらうことで、税務コンプライアンスを維持・向上するための取組みとしている。対して、「税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組み」は、調査課所管法人の中でも特に大規模な特別国税調査官所掌法人(特官所掌法人)を対象に実施しているところに違いがある。

また、法人会及び納税協会が作成・配布している「自主点検チェックシート」は、経理担当者が少人数の企業を念頭において作成され、企業における日々の内部統制面の強化や会計経理面の質を向上させることが目的だ。対して「申告書確認表」及び「大規模法人における税務上の要注意項目確認表」は、調査課所管法人を対象に、提出直前の申告書の自主点検や税務上の観点からの自主監査を促進し、申告誤りの未然防止が目的としている。

この件については↓
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/hojin/sanko/tk.htm