確定申告後の内容の間違いは更正の請求か修正申告で

2021年分の所得税等の確定申告は、コロナ禍の影響で個別延長しない限りは3月15日に終了するが、確定申告期限後に申告内容の誤りに気付いた場合はどのようにすればいいのだろうか。まず、税額を実際より多く申告していたことに気付いたケースがある。納付すべき税額が過大であるとき、純損失等の金額が過少であるとき、還付される金額が過少であるときなどは、更正の請求をすることができる。

更正の請求をする場合は、「更正の請求書」に、必要事項を記入して所轄税務署長に提出する。更正の請求ができる期間は、原則として、法定申告期限から5年以内となっている。更正の請求書が提出されると、税務署でその内容を調査し、その請求内容が正当と認められたときは、減額更正(更正の請求をした人にその内容が通知される)が行われ、納め過ぎた税金が還付されることになる。

また、確定申告書を提出した後で、税額を実際よりも少なく申告していたことに気付いたときは、修正申告をして正しい税額に修正する必要がある。修正申告をする場合は、「申告書B第一表」と「第五表(修正申告書・別表)」の「修正申告書」の用紙に、必要事項を記入して所轄税務署長に提出する。修正申告は、税務署から更正を受けるまではいつでもできるが、なるべく早めの申告がベターだ。

修正申告によって新たに納付することになった税額は、修正申告書を提出する日(納期限)までに納める。この納付する税額には、法定納期限(2021年分の所得税等や贈与税、消費税等は2022年3月15日)の翌日から完納する日までの期間について延滞税がかかるので、併せて納付する必要がある。税務署の調査を受けた後で修正申告をしたり、更正を受けたりすると、過少申告加算税や重加算税がかかる場合があるので留意したい。

なお、2022年中の延滞税の割合は、納期限の翌日から2月を経過する日までが年2.4% (納期限の翌日から2月を経過する日までの延滞税の割合は、年「7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合を適用)。納期限の翌日から2月を経過した日以降は年8.7%(納期限の翌日から2月を経過した日以降の延滞税の割合は、年「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合を適用)とすることになっている。

上記の延滞税特例基準割合とは、各年の前々年の9月から前年の8月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいう。2020年11月26日に財務大臣が告示した割合は、年0.5%なので、2021年中の特例基準割合は、年1.5%となる。