2017-03-02
2016年分所得税の確定申告も中盤に差し掛かったが、ふるさと納税の適用に当たってワンストップ特例を利用した人は、改めて寄附自治体数の確認をする必要がある。ふるさと納税で税金の控除を受けるためには、以前は確定申告を受ける必要があったが、昨年4月1日から「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が始まり、一定の要件に該当すれば確定申告が不要となっている。
同特例制度は、確定申告不要な給与所得者等がふるさと納税を行った自治体数が5団体までの場合は、ふるさと納税を行う際に、寄附先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出することで、確定申告をしなくても寄附金控除を受けられる仕組みだ。2015年度税制改正において、ふるさと納税枠(自己負担額の2千円を除いた全額が控除される限度額)を約2倍に引き上げる見直しとともに制度の拡充策として導入された。
これによって多くの自治体へ寄附することが容易になったが、例えば、昨今のふるさと納税における返礼品の過熱競争や家族からのリクエストにより、すでに寄附先5団体へ寄附を行っていたことを忘れて年末に駆込みでもう1団体追加して最終的に5団体を超えてふるさと納税を行いワンストップ特例の申請をした場合は、申請すべてが無効となって、改めて確定申告をしないと制度の適用は受けられない。
また、医療費控除や住宅ローン控除の適用などのために確定申告した場合や住民税の申告をした場合は、ワンストップ特例は無効になる。改めて、別途、申告書にふるさと納税の寄附金控除を記載しないと適用は受けられない。特例が無効になったことに気づかないケースも多くなるとみられており、ワンストップ特例を利用した人は、まだ確定申告に間に合うので、この時期に寄附をした自治体数の確認をしておきたいものだ。
なお、医療費控除の適用など、ふるさと納税の有無にかかわらず確定申告を行う人も、ふるさと納税についての控除を受けるためには、これまで同様に確定申告を行う必要がある。また、特例の適用申請後に、転居による住所変更等、提出済の申請書の内容に変更があった場合、ふるさと納税を行った翌年の1月10日までに、ふるさと納税先の自治体へ変更届出書を提出しなければならない。