2017-03-09
現在参議院で審議中の2017年度税制改正法案には、「地域中核企業向け設備投資促進税制」(地域未来投資促進税制)の創設が盛り込まれている。同税制は、企業立地促進法の改正を前提に、新たに制定される地域未来投資促進法(仮称)で規定する同意地域中核事業促進地域(仮称)内において、対象となる機械装置や器具備品、建物等を取得等し、一定の事業の用に供した場合に、特別償却又は税額控除が選択適用できるというもの。
この地域未来投資促進税制の前提となる「地域未来投資促進法案」が去る2月28日に閣議決定され、同日国会に上程された。同法は、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、地域経済を牽引する事業(「地域経済牽引事業」)を促進し、地域の成長発展の基盤強化を図るため、事業者等が作成する当該事業に係る計画を承認し、計画に係る事業を支援する。
国が定めた基本方針に基づいて市町村及び都道府県が共同で、地域経済牽引事業の促進に関する基本計画を作成して国が同意し、地域経済牽引事業を行おうとする事業者等がこの基本計画に基づき、地域経済牽引事業計画を作成して都道府県等の承認を受けた場合、承認された事業計画に対する設備投資に対する税制措置や財政・金融面の支援措置、規制の特例措置等が受けられる。
設備投資に対する税制支援措置は、青色申告法人が同事業計画に基づき、特定地域中核事業等を新設し、同施設等を構成する機械装置、器具備品、その他附属設備並びに構築物を取得し、事業の用に供した場合は、取得価額100億円を限度に機械装置・器具備品について40%(建物等・構築物は20%)の特別償却又は4%(同2%)の税額控除が選択適用できるというもの。固定資産税等を減免した地方公共団体には減収が補てんされる。
さらに、地域経済牽引事業に対する補助など財政面の支援がある。地方創生推進交付金(2017年度予算案1000億円)を活用し、地域未来投資促進法の承認を受けた計画については、内閣府と連携して重点的に支援する。そのほか、リスクマネーの供給促進など金融面の支援措置、幅広い規制改革ニーズへの迅速な対応や、農地転用許可、市街化調整区域の開発許可等に係る配慮といった規制の特例措置など幅広く支援する。