2022-05-06
中古資産を取得して事業の用に供した場合には、その資産の耐用年数は、法定耐用年数ではなく、その事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができる。ただし、その中古資産を事業の用に供するために支出した資本的支出の金額がその中古資産の再取得価額の50パーセントに相当する金額を超える場合には、耐用年数の見積りをすることはできず、法定耐用年数を適用することになる。
上記の「再取得価額」とは、中古資産と同じ新品のものを取得する場合のその取得価額をいう。また、使用可能期間の見積りが困難であるときは、「簡便法」により算定した年数によることができる。ただし、その中古資産を事業の用に供するために支出した資本的支出の金額がその中古資産の取得価額の50パーセントに相当する金額を超える場合には、簡便法により使用可能期間を算出することはできない。
簡便法による計算方法は、(1)法定耐用年数の全部を経過した資産は「その法定耐用年数の20パーセントに相当する年数」、(2)法定耐用年数の一部を経過した資産は「その法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20パーセントに相当する年数を加えた年数」となる。これらの計算により算出した年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には2年とする。
中古資産の耐用年数は、原則、法定耐用年数だが、以後の使用可能期間として合理的に見積もられる年数を使え、この見積りが困難な場合「簡便法」で計算でき、多くの場合は簡便法を選択している。なお、中古資産の耐用年数の算定は、その中古資産を事業の用に供した事業年度においてすることができるものだから、その事業年度において耐用年数の算定をしなかったときは、その後の事業年度において耐用年数の算定をすることはできない。
簡便法の具体例をみると、法定耐用年数が30年で、経過年数が10年の中古資産の簡便法による見積耐用年数は、(1)法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数が「30年-10年=20年」で、(2)経過年数10年の20パーセントに相当する年数が「10年×20%=2年」となり、(3)耐用年数は、「20年+2年=22年」となる。仮に、法定耐用年数の全部を経過した場合は、「30年×20%=6年」(法定耐用年数×20/100)となる。