2017-03-16
特定の事業用資産の買替えの特例は、2017年度税制改正において見直しを行った上、適用期限が2020年3月末(個人は2020年12月末)まで延長される。これまで1号買換えは、既成市街地等内にある事務所若しくは事務所として使用されている建物又はその敷地の用に供されている土地で所有期間10年超のものを譲渡して、既成市街地等以外の地域内にある土地等、建物等又は機械装置に買い換えた場合に特例の適用が認められてきた。
この1号買換えの見直しでは、譲渡資産の対象から、事務所として使用されている建物(附属設備を含む)又はその敷地の用に供されている土地等が除外される。また、買替資産の対象から、立地適正化計画を作成した市町村のその立地適正化計画に記載された都市機能誘導区域以外の地域内にある誘導施設に該当するものに係る土地等、建物(その附属設備を含む)及び構築物が除外される。
2号買換え(市街化区域又は既成市街地域等の内から外への農業用資産の買換え)と7号買換え(農用地区域内の農業等の集積のための買換え)については、ともに経過措置を講じた上で適用期限をもって廃止される。ただし、2号買換え、7号買換えともに経過措置として、改正法施行前に個人、法人が行った譲渡については従来通りの取扱いとなり、現行の特例の適用を受けることができる。
また、これまで10号買換えとして特例措置が講じられてきた、船舶から船舶への買換えについて、漁船に係る措置につき、所要の経過措置を講じた上、適用期限の到来をもって対象から除外される。そのほか、最も使い勝手が良いとされる、長期所有の土地、建物等から国内にある土地等への買換えの9号買換えは、7号買換えに変わり、買替資産のうち鉄道事業用車両運搬具が貨物鉄道事業用の電気機関車に限定される。
これらの見直しの結果、これまで10あった特例措置が8措置に減少することになり、かつては適用者が多かった買替特例は、改正のたびごとに使い勝手の悪い特例措置になりつつある。なお、買替特例の適用を受ける法人が、特定非常災害の指定を受けた災害により、予定期間内に、買替資産等の取得等をすることが困難となった場合には、一定の要件の下に、その末日後2年の範囲内で延長できる措置も講じられる。