2022-06-03
父母や祖父母など直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置は、2022年度税制改正において見直されたが、国税庁ではこれを受けて、新非課税制度を紹介するパンフレットをホームページに掲載し、その周知を図っている。見直しは、適用期限が2023年12月31日まで2年延長され、受贈者ごとの非課税限度額は、受贈者が新非課税制度の適用を受けようとする住宅用の家屋の種類に応じた金額とされる。
具体的な非課税限度額は、住宅用家屋の取得等に係る契約の締結時期にかかわらず、住宅取得等資金の贈与を受けて新築等をした住宅用家屋の区分に応じ、(1)耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋は1000万円、(2)それ以外の住宅用家屋は500万円、とされる。既に新非課税制度の適用を受けて贈与税が非課税となった金額がある場合には、その金額を控除した残額が非課税限度額となる。
パンフレットは、注意点として、新非課税制度等の適用を受ける人が、所得税の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)を適用する場合において、(1)住宅借入金等の年末残高の合計額が、(2)住宅用の家屋の新築等の対価の額又は費用の額から、新非課税制度等の適用を受けた部分の金額を差し引いた額を超えるときには、その超える部分に相当する金額については住宅ローン控除の適用はないことを挙げている。
受贈者等の要件では、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上(2022年3月31日以前の贈与の場合は、20歳以上)や、贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2000万円以下(新築等をした住宅用の家屋の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満である場合は1000万円以下)、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすることなどがある。
「住宅用の家屋の新築」には、その新築とともにするその敷地の用に供される土地等又は住宅用の家屋の新築に先行してするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含み、「住宅用の家屋の取得又は増改築等」には、その住宅用の家屋の取得又は増改築等とともにするその敷地の用に供される土地等の取得を含む。対象となる住宅用の家屋は、日本国内にあるものに限られる。
新非課税制度は、贈与税の申告書の提出期間内に贈与税の申告書及び一定の添付書類を提出した場合に限り、その適用を受けることができる。また、新非課税制度適用後の残額には、暦年課税にあっては基礎控除(110万円)を適用することができ、また、相続時精算課税にあっては特別控除(2500万円)を適用することができる。なお、相続時精算課税を適用した金額は、贈与者が亡くなった時の相続税の課税価格に加算される。
パンフレットは↓
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0022005-028.pdf