2022年3月末現在の税理士名簿登録者数は8万人超

日本税理士会連合会が取りまとめた2021年度の登録事務事績によると、2021年度末(2022年3月末)現在の税理士名簿登録者数は8万163人となったことが明らかになった。1961年(昭和36年)の税理士法改正により、税理士の登録事務が国から日税連に移譲されたが、同年度末の登録者数は1万1782人だった。その後、約60年を経て税理士登録者数は大台の8万人を超えた。また、2021年度末の女性の登録者数の割合は15.5%だった。

2021年度末の税理士登録者数を都道府県別にみると、「東京都」が2万3896人(構成比29.8%)と全体の約3割を占めて最も多く、次いで、「大阪府」8868人(同11.1%)、「愛知県」5445人(同6.8%)、「神奈川県」4725人(同5.9%)、「埼玉県」3304人(同4.1%)と続いている。これに対して、登録者数が最も少ないのは「鳥取県」の172人、以下、「島根県」193人、「高知県」232人、「秋田県」237人などだった。

2021年度の新規登録者数は、前年度より132人増の2622人(うち女性446人)だった。近年の新規登録の傾向として試験合格による登録者数の顕著な減少がみられる。10年前の試験合格による登録者の割合は33.5%だったが、2021年度は24.0%と大きく低下している。一方で、試験免除による登録者数の割合が10年前の46.5%から2021年度は54.9%に上昇している。

また、2021年度の登録抹消者数は前年度より18人少ない1863人だった。登録抹消事由の内訳は、「業務廃止」によるものが1171人(構成比62.9%)、「死亡」によるものが686人(同36.8%)、「欠落条項に該当」したものが6人だった。登録抹消者数は減少傾向がみられるが、今後、第一次ベビーブーム世代の税理士の高齢化に伴い、登録抹消が徐々に増えていくものとみられている。

登録者の伸び率は近年、約1%で推移していたが、今後は抹消者数の増加によって登録者の伸び率が若干緩やかなものになっていくと推測されている。また、税理士の年代別の割合については、「60歳代」が全体の22.9%と2割強を占めて最も高い。なお、2021年度末における税理士法人数は、主たる事務所が前年度より245件増の4601件、従たる事務所が同175件増の2480件だった。