中小経営強化税制、医療保険業の医療機器等は対象外

2017年度税制改正では、中小企業投資促進税制の上乗せ措置である生産性向上設備の即時償却が、創設される中小企業経営強化税制に引き継がれるが、その対象から医療保険業の医療機器や建物附属設備が対象外となることが分かった。これは、2月に公表された、中小企業等経営強化法施行規則の改正案及び経営力向上計画に係る認定申請書の様式案のパブリックコメントで明らかになったもの。

2017年度税制改正大綱では、中小企業投資促進税制の対象から「器具及び備品」が除外される一方で、創設される中小企業経営強化税制及び固定資産税の半減措置に“全ての”器具・備品、建物附属設備を追加するとされていた。しかし、経営強化法施行規則の改正案によると、経営強化税制の対象となる「特定経営力向上設備等」の器具備品や建物附属設備から除外されるものがあることが明らかになった。

具体的には、器具備品については、医療保険業の事業者が取得又は製作する医療機器のほか、電子計算機は、情報通信業のうち自己の電子計算機の情報処理機能の全部又は一部を提供する事業を行う法人(いわゆるデータセンタ事業を行う事業者)が取得又は製作するものが除かれる。また、建物附属設備についても、医療保険業の事業者が取得又は製作するものは除かれるとされている。

これらの業種による制限は、中小企業等経営強化法で規定される、いわゆるA類型の生産性向上設備(経営力向上に資するものの指標(生産効率、エネルギー効率、精度その他)が旧モデル比で年1%以上向上しているもの)や、B類型の収益力強化設備(年平均5%以上の投資利益率が見込まれることを経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載されたもの)ともに同様となっている。

なお、中小企業経営強化税制は、一定の中小企業者等で中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けたものが、2017年4月1日から2019年3月31日までの間に、一定規模以上の設備等を取得等し、国内にあるその法人の指定の事業の用に供した場合に、即時償却又は7%(特定中小企業者等は10%)の税額控除を選択適用できる。ただし、控除税額は当期の法人税額の20%を上限とし、控除限度超過額は1年間の繰越しができる。