日税連、周知を図る税理士試験の受験資格要件の緩和

税理士試験の受験者が年々減少しているなか、2022年度税制改正では税理士法の改正の1つとして、2023年4月1日から実施される税理士試験から、受験資格要件が大幅に緩和される。これを受けて、日本税理士会連合会(神津信一会長)はこのほど、税理士を目指す者へ周知を図るための「税理士試験が受験しやすくなります!!」と題したリーフレットを作成・公表した。

税理士試験の受験資格要件の緩和は、具体的には、(1)会計学科目に限り受験資格要件を撤廃、(2)税法科目の受験資格要件の緩和、が行われる。(1)では、これまで会計学科目(簿記論・財務諸表論)について高校生や大学1・2年生が受験するには、日商簿記1級合格などの受験資格要件を満たす必要があったが、これらに関して受験資格要件が撤廃されたため、高校生や大学1・2年生でも受験できるように変更されている。

また(2)では、これまで、税法科目における受験資格の要件の一つに「法律学又は経済学」に属する科目を少なくとも1科目は履修する必要があったが、「法律学又は経済学」が「社会科学に属する履修」に拡充されたため、文学部や理工学部の大学生・卒業生の受験可能性が拡がっている。ちなみに、社会科学には、政治・行政・社会・経営・教育・福祉・情報など、広く社会に関わる多様な学問分野が含まれている。

リーフレットでは、(1)については「受験ファーストタッチの早期化」、(2)については「活動領域の拡大により、税理士には広く社会に関する基礎的素養が求められていることを踏まえ、履修を要する学問の範囲(履修科目要件)を『法律学・経済学』から『社会科学に属する科目』に拡大」と説明。受験しやすい環境の整備が行われたことを紹介するとともに、税理士試験の流れをわかり易く図解している。

来年4月からの税理士試験の受験資格要件の緩和の結果、会計学2科目(簿記論、財務諸表論(ともに必須))及び税法3科目(所得税法か法人税法のいずれか必須、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)の計5科目合格により税理士試験が合格となり、加えて実務経験(会計事務2年以上等)を満たせば、税理士登録が可能となる。

この件については↓
https://www.nichizeiren.or.jp/prospects/exam_relief/