2022年分路線価は+0.5%と2年ぶりに上昇~国税庁

国税庁は1日、相続税や贈与税の土地等の課税評価額の基準となる2022年分の路線価及び評価倍率を公表した。今年1月1日時点の全国約31万7千地点(継続地点)における標準宅地の前年比の変動率の平均は+0.5%(昨年▲0.5%)と、2年ぶりに上昇した。路線価日本一は、37年連続で東京・銀座「鳩居堂前」で1平方メートル4224万円(昨年4272万円)だったが、▲1.1%と2年連続で下落している。

都道府県別の路線価をみると、標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値の上昇率が「5%未満」の都道府県は、昨年分の7道県から東京や大阪など20都道府県に増加。上昇率が「横ばい」の都道府県は、昨年分の1県からゼロとなった。「下落率が5%未満」の都道府県は昨年分の39県から27県に減少した。ちなみに、上昇率トップは「北海道」の4.0%、最大の下落率は「和歌山県」の▲1.3%だった。

一方、都道府県庁所在都市の最高路線価が上昇した都市は、昨年分の8都市から15都市へと大幅に増加し、うち、千葉の1都市が上昇率5%以上10%未満、14都市が5%未満だった。横ばいは16都市(昨年17都市)で、下落は16都市(同22都市)。内訳は、下落率「5%未満」が15都市(同17都市)、「5%以上10%未満」が昨年分の4都市から神戸の1都市(▲5.8%)に減少。「10%以上」は0(昨年は奈良の1都市)となった。

都道府県庁所在都市の最高路線価では、1位が東京・中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」で、1平方メートル当たりの路線価は前年から▲1.1%下落の4224万円(はがき1枚当たり約263.5万円)。以下、大阪・北区角田町の「御堂筋」1896万円(増減率▲4.0%)、横浜市西区南幸1丁目の「横浜駅西口バスターミナル前通り」1656万円(同+3.0%)、名古屋市中村区名駅1丁目「名駅通り」1248万円(同+1.3%)と続く。

2022年分の路線価は2年ぶりの上昇となったが、その要因には、新型コロナ感染拡大の影響が徐々に緩和され、人流の増加などの期待が集まった観光地や繁華街などでプラスに転じたことや、昨年、飲食店等への営業自粛・営業時間短縮要請の影響で下落した繁華街や商業地の地価の下落幅が縮小した地点も多いことなどがある。一方で、コロナ禍前から訪日外国人客需要への依存度が高かった地域は下落が続き、明暗が分かれている。

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