2021年度「電話相談センター」の相談件数は557万件

国税庁では、国税に関する制度や法令等の解釈・適用についての質問・相談を、全国の国税局に設置する「電話相談センター」で受け付けるとともに、ホームページ上でよくある税の質問に対する一般的な回答を掲載した「タックスアンサー」による情報提供を行っているが、このうち今年3月までの1年間(2021年度)に「電話相談センター」で受け付けた相談件数は、557万件と前年度に比べて4.3%減少していることが分かった。

税目別の相談件数をみると、「所得税」が281.8万件(前年度303.0万件)と全体の半数以上を占めて最も多く、次いで、「資産税」103.1万件(同93.0万件)、「消費税等」27.8万件(同31.7万件)、「法人税」22.6万件(同20.6万件)、「その他」122.3万件(133.3万件)となっていて、前年度と比べると所得税が7.3%減と減少しているが、逆に資産税は10.9%増加して100万件を超えた。

相談項目別では、「申告義務・手続き等」が最も多かったものの前年度(70.0万件)に比べて5万件近く少ない64.9万件で、以下、「住宅借入金等特別控除」27.7万件(前年度26.7万件)、「年末調整」24.1万件(同29.5万件)、「医療費控除」22.7万件(同23.1万件)と続き、住宅借入金等特別控除が1万件増えて3位から2位となり、5位には「相談案内・署の所在地」が21.9万件で入り、上位5位全てが今回も所得税関係となった。

一方、タックスアンサーの利用件数は、8908万件で前年度の7875万件から13.1%増と二ケタの伸びを示した。項目別の上位5位をみると、「所得税の税率」が最も多い293.8万件で、「医療費を支払ったとき(医療費控除)」251.7万件、「印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」209.2万件、「給与所得控除」191.8万件、「直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税」164.2万件が続いた。

なお、土日・夜間など、日時によらず、24時間いつでも税に関する相談ができる「税務相談チャットボット」を2020年10月からHPに導入しているが、チャットボットへの質問件数は、2021年は確定申告が434万件、年末調整が49万件、2022年も5月31日現在で595万件にのぼる。チャットボットの導入により、税に関する疑問について気軽に質問できたり、国税庁HP掲載の情報へ短時間でたどり着くことができるようになっている。