2017年度税制改正関連法が27日、賛成多数で成立

2017年度税制改正関連法案が、3月27日に開かれた参院本会議で原案どおり可決し、年度内に成立した。このうち、所得税法や法人税法、相続税法、租税特別措置法などの国税関係の改正を一本にまとめた所得税法等の一部を改正する法律案は、2月3日に閣議決定、同日国会に提出され、衆議院を同月27日に通過、3月27日の参議院財政金融委員会の質疑後の採決で可決後、本会議で賛成154、反対86の賛成多数で成立した。

今年度の税制改正項目では、働きたい人が就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点からの配偶者控除・配偶者特別控除の見直しがある。配偶者控除38万円の対象となる配偶者の所得上限を給与収入150万円(現行103万円)に引き上げる。また、家計の安定的な資産形成を支援する観点から、少額からの積立・分散投資を促進するための積立NISA(年間投資上限40万円、非課税期間20年)を創設する。

そのほか、事業承継税制の見直しなどの個人所得課税・資産課税関係、研究開発投資に係る政府目標の達成に向けた研究開発投資の増加インセンティブを強化する研究開発税制の抜本的見直しを始め、所得拡大促進税制の見直し、地方拠点強化税制の拡充などの法人税関係のほか、酒類間の税負担の公平性を回復する等の観点からビール系飲料や醸造酒類の税率格差の解消等の酒税改革などが盛り込まれている。

一方、地方税法関係の改正では、タワーマンションに係る固定資産税及び不動産取得税を見直す。2017年度以降に販売される高さ60メートルを超え、おおむね20階建て以上の新築高層マンションを対象に、高層階ほど増税、低層階ほど減税となるように見直す。また、機械・装置を対象に創設した償却資産に係る固定資産税の特例措置について地域・業種を限定した上で一定の工具、器具・ 備品等を追加するなどの見直しがある。