2022-07-22
こんにちは、渡辺です。
今回は、私の論文のテーマの大枠でもある国際課税についてみていこうと思います。
そもそも国際課税って何ですかと聞きたくなる方もいるかと思います。
現在では、街には輸入品であふれ国産を探す方が難しいくらいになっていますね。日本の会社が海外の会社から商品を輸入して販売するケース、海外の会社が日本の市場を求めて商品を販売するケース、また、日本の会社が海外に子会社を設立して製品を製造させ、それを輸入して販売するケースなど形式はいろいろだと思います。これらはいずれも国境を超えた海外との取引で、誰がどこに税金を払うのでしょうか。国際課税とは、こういった国際取引を通じた二国間以上にかかわる課税をいいます。
近年話題となったのは、ア〇〇ンは日本に税金を払ってない?という話を聞いたことがある人もいると思います。ア〇〇ンだけでなく世界に事業を展開する多国籍企業の多くは同様の現象が起きているものと思われます。
日本の法人税法では、外国法人に対する課税を国内源泉所得に限定しています。これは外国法人が日本で商売して利益が出たら税金の対象になるということです。ここで、その外国法人は本店所在地国から課税を受け、日本で商売したら日本からも課税を受けることになりますので、一つの利益に対して二重の税金がかかる、いわゆる二重課税が生ずることになります。そこで各国の課税権が重複しないよう、二重課税の排除と脱税の防止を目的として結ばれる協定を租税条約といいます。
日本も多くの国と租税条約を結んでいますが、そのルールの中には、ある国が他国の企業の利得に対して課税するためには、その他国の企業が相手国において恒久的施設(いわゆる支店などの物理的施設)を通じ事業を行った場合に限定しているのです。外国法人が日本国内に事務所等を有し、そこを拠点として商売を展開して利益が出たら納税義務が生じるということです。
上記、ア〇〇ンが日本に税金を払っていないといわれた時代は、この恒久的施設の定義に倉庫は含まれない(単なる倉庫で、活動の補助的な性格のもの)とされていたのです。したがって日本に恒久的施設がない外国法人に対して日本は課税することが出来ないのです。さらに、国内法では、準備的・補助的なものについても恒久的施設として認定されることになりましたが、租税条約が変わらない限り国内法の効力は外国法人には及ばないというのが現状です。
これは国際課税分野の一つの例ですが、まだまだ多くの問題が潜んでいると言えるでしょう。また興味深い話があったらご紹介していきますのでお楽しみに。
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